パターンエッチングではよく塩化第二鉄液が使用されますが、エッチング速度が遅く、廃液処理が少し面倒です。
塩化第二鉄液でエッチングされる方は、サンハヤトの卓上エッチング装置を使用することをお勧めします。

ここでは、自分で薬剤を調合してエッチング液を作るところから始めます。


-エッチング液の調合-
用意するもの
・オキシドール
・クエン酸
・塩
・チャック付きポリ袋
・ニトリル手袋

先ずクエン酸と塩を4:1の割合で調合します。
あらかじめ大量に調合したものをボトルに入れて保存しておくとよいです。
クエン酸も塩もスーパーか薬局で売っています。

チャック付きポリ袋にエッチングしたい基板が漬かるくらいの量のオキシドールを入れます。
そこに調合済みのクエン酸&塩を飽和するくらいまで溶かしていきます。

調合が終わったら、50度くらいのお湯につけて暖めます。
温度が高すぎると、銅が溶けすぎてパターンが切れてしまいますので、エッチング液の温度は35℃くらいになるように暖めましょう。

-エッチング-
エッチング液の準備ができたら袋に基板を入れてエッチングします。
10秒くらい経つと銅が露出している部分に気泡ができてきます。

そのまま液が基板全体に浸るように軽く揺すります。

銅が露出している部分が全て溶けているのが確認できたら直ぐに基板を取り出しましょう。
このまま長時間放置しておくと、レジストをかけている部分も溶けてしまいます。

およそ5分余りでエッチング完了です。
基板を取り出すときは、液が皮膚に触れないように、二トリル手袋をつけて作業します。

取り出した基板のヌメリが取れるまで流水で洗い流します。
その後乾燥させますが、できればバキュームクランプ、無ければ雑誌などに挟んで基板が反らないように固定して放置するとよいでしょう。

基板を乾燥させている間に廃液処理をします。
銅を含んだ溶液をそのまま河川に捨てると法律違反になりますし、エッチング液は金属を溶かすので、配水管を傷めます。
間違っても、排水口に流してはいけません。

このエッチング液で基板3~5枚ほどエッチングできますが、今回は1枚したところで説明のために廃液処理してしまいます。

銅が溶け出した、溶液はエメラルド色をしています、ここに少しずつアルミ箔を入れていき、銅を析出させます。
アルミ箔と溶液が反応す
ると熱が出ますので、バケツに水を張ってそこに溶液が入った袋をつけて冷やしながらアルミを入れていきます。
アルミを一気に入れすぎると大変なことになるので、少しずつ溶けては入れ、溶けては入れを繰り返すようにしてください。

完全に反応が終わり、溶け残ったアルミと析出した銅をろ過して取り除きます、このカスはアルミ箔等に包んで燃えないゴミに捨てます、残った溶液は乾燥させて粉末になったら燃えるゴミとして捨てます。

以上がエッチング工程です。
めんどくさくても廃液処理はしっかり行いましょう。
長く続けるためにも、一人一人が責任持って後始末をする必要があると思います。

穴あけ
次は穴あけ作業ですが、ドリルで穴を空けるだけなので、写真一枚だけ載せておきます。
プロクソンのミニルーターとドリルスタンドが使いやすくてお勧めです。

あとはレジストを剥離させて、ソルダーレジスト処理若しくはそのまま部品実装の工程に入ります。

1 コメント :

  1. 塩化第二鉄液の方法しか知らなかったので大変参考になりました。

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